2019年4月より「働き方」が変わります!A
〜制度の導入促進・拡充と新制度の創設〜

●2019年4月1日より施行

●概要
「働き方改革」は、働く方々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革です。
現在、日本が直面している「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く方々のニーズの多様化」などの課題に対応する為には、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることがに必要となっています。
働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること目指すものです。

1.勤務間インターバル制度の導入促進 施行日:2019年4月1日
勤務間インターバル制度の導入が事業主の努力義務になりました!
 勤務間インターバル制度とは、勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を確保する仕組みです。
 (制度導入を事業主の努力義務にすることで、労働者の十分な生活時間や睡眠時間の確保する目的があります。)

(例)休息時間を11時間とした上で、休息時間を確保するために勤務開始時間を10時として、8時〜10時までの時間を勤務したものとみなす場合
        
「勤務間インターバル制度」の詳細はこちらから

2.高度プロフェッショナル制度の新設 施行日:2019年4月1日
高度な専門的知識等が必要な職務の労働者に対し、労働基準法で規定する労働時間等の適用が除外に!
 労使委員会の決議及び労働者本人の同意を前提に、年間104日以上の休日確保措置や健康管理時間の状況に応じた健康・福祉確保措置等を講じることで労働基準法で定められる労働時間・休憩・休日及び深夜の割増賃金に関する規定が適用除外になります。

○制度の対象となる範囲

 T.対象労働者
  • 使用者との間の合意に基づき職務が明確に定められていること
  • 使用者から確実に支払われると見込まれる1年間当たりの賃金の額が少なくとも1,075万円以上であること
  • 対象業務に常態として従事しており、対象業務以外の業務に常態として従事していない者であること
 U.対象業務
  • 対象業務に従事する時間に関し、使用者から具体的な指示を受けて行うものではないこと
  • 以下のa〜eの業務であること
  1. 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
  2. 資産運用の業務又は有価証券の売買その他の取引の業務のうち、以下の@〜Bに該当する業務
  3. @投資判断に基づく資産運用の業務、
  4. A投資判断に基づく資産運用の業務として行う有価証券の売買その他の取引業務、
  5. B投資判断に基づき自己の計算において行う有価証券の売買その他取引の業務
  6. 有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析・評価、それに基づく投資に関する助言業務
  7. 顧客の事業運営に関する重要事項についての調査又は分析及びこれに基づく当該事項に関する考案・助言業務
  8. 新たな技術、商品又は役務の研究開発の業務
※詳しい対象業務となり得る業務等はこちらから

○健康確保措置について
高度プロフェッショナル制度の導入には、対象労働者へ以下の措置を実施する必要があります。
@健康管理時間の把握 健康管理時間(事業場内にいた時間+事業場外で労働した時間)をタイムカードやパソコンの使用時間等により、客観的に把握する。
A休日の確保 年間104日以上、かつ4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない。
B選択的措置 次のいずれかに該当する措置を決議で定め、実施する。
  1. 勤務間インターバルの確保(11時間以上)+深夜業の回数制限(1ヶ月4回以内)
  2. 健康管理時間の上限措置
  3. (1週間当たり40時間を超えた時間について、1ヶ月100時間以内又は3ヵ月240時間以内とすること)
  4. 1年に1回以上の連続2週間の休日を与える(本人が請求した場合は連続1週間×2回以上)
  5. 臨時の健康診断
  6. (1週間当たり40時間を超えた健康管理時間が1ヶ月当たり80時間を超えた労働者又は申出があった労働者が対象)
C健康管理時間の状況に応じた健康・福祉確保措置 次の措置のうちから決議で定め、実施しなければならない。
  1. 「B選択的措置」のいずれかの措置(Bにおいて決議で定めたもの以外)
  2. 医師による面接指導
  3. 代償休日又は特別な休暇付与
  4. 心とからだの健康問題についての相談窓口設置
  5. 適切な部署への配置転換
  6. 産業医等による助言指導又は保健指導

「高度プロフェッショナル制度」の詳細はこちらから


3.フレックスタイム制の拡充
 施行日:2019年4月1日

・ より働きやすくするため、労働時間の調整が行える期間が3ヵ月まで延長されました!
改正前  労働時間の清算期間:1ヶ月 改正後  労働時間の清算期間:3ヶ月

○フレックスタイム制とは
一定期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時間や労働時間を自ら決めることのできる制度です。
○拡充内容
フレックスタイム制は、労働者が自分で労働時間を決めることが出来る為、時間外労働や欠勤の取扱が通常とは異なります
法定労働時間を超えて労働した場合や1日の標準の労働時間に達しない場合でも、ただちに時間外労働や欠勤にはなりません。
清算期間(1ヵ月)における法定労働時間の総枠(1週間の法定労働時間×清算期間の暦日数)を超えた時間数が時間外労働として扱われます。
今回の拡充では、この清算期間が1ヵ月から3ヵ月へ延長されました。

フレックスタイム制の詳細はこちらから