●●10月1日以降でも税率8%または5%が継続適用される取引●●     

消費税率引き上げの施行日である平成31年10月1日(以下:施行日)以降でも、
現行の消費税率8%または5%が継続して適用される取引もあります。

1.平成31年9月以前からのリース契約        
  
コピー機などのリース契約は「ファイナンス・リース契約」が主流となっています。この契約は原則的に
「売買契約」に該当しリース資産の引き渡し時点の消費税率が継続的に適用されます。
したがって、施行日よりも前にリース契約を結び、リース資産の引き渡しが完了している場合、消費税率8%が継続適用されます。

ファイナンス・リース契約とは?
既に貸手(リース会社)が保有しているものを借手(ユーザー)が借りるのではなく、
ユーザーが欲しいものをリース会社が
代わりに購入し、貸与すること。

※注意※
現行の消費税率8%が継続適用される要件は、リース契約を結び、施行日よりも前に
リース資産の引き渡しが完了している場合です。契約日が施行日よりも前の日付であっても、リース資産の引き渡しの日付が施行日を過ぎている場合、消費税率は10%が適用されます。
また、前回の消費税率の引き上げが施行された、平成26年4月1日よりも前にリース契約を結び、リース資産の引き渡しが完了しているリース契約の場合、消費税率5%が継続適用されます。


2.事務所や駐車場などの賃貸料で、金額が一定のもの   
不動産の賃貸料のうち事業用として契約している事務所、工場、駐車場などの賃貸料には消費税がかかります。
このような不動産の賃貸料について、平成31年3月31日までに契約し、施行日よりも前に賃貸を開始し、施行日以降も引き続き賃貸を行っている場合、以下の要件を満たしていれば、経過措置により施行日以後も消費税率は8%が適用されます。
経過措置について詳しくはコチラ

〜賃貸料の消費税率8%が継続適用される要件〜
要件1:賃貸の期間とその期間中の賃貸料の額が定められていること
要件2:賃貸料の変更を求めることができる旨の定めがないこと
要件3:契約期間中「いつでも解約の申し入れ」ができる旨の定めがないこと


※注意※

経過措置の適用には、契約の相手に対して「この取引は経過措置により旧税率の適用を受けた」旨を書面で通知することが義務づけられています。
また、契約書の多くは「家賃の改定協議可能」等の記載がされており、上記の要件を満たさず新税率が適用されるケースが一般的です。


?不動産の賃貸料はいつから変わる?

不動産の賃貸料の支払いは、翌月の家賃を前月末の支払う「前家賃」の契約が多いようです。
この「前家賃」における平成31年10月分(施行日後)の家賃は、その前月である9月末(施行日前)に支払うことになります。
この場合の賃貸料の支払いは、施行日以後である
平成31年10月分の資産の貸付の対価として支払うものであるため、
施行日より前に家賃を支払っていても、消費税率は10%が適用されます(詳細は下図参照)。


図表:誤りやすい賃借料の適用税率