附帯税に気をつけて!


申告期限までに申告書を提出しなかった等により、本来納めるべき税金の他に附帯税が課税されます。意外に重い負担になるので注意しましょう。

附帯税が課税されるのはどんなときか

附帯税は、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税などの総称で、期限内に適正に申告・納付した人との負担の公平化を図り、滞納防止と滞納された税金の早期納付を促すこと等を目的として課されています。 附帯税は所得税や法人税をはじめ、各種税金の計算をする上で損金算入は認められません(利子税は除く)。




延滞税

申告は期限内に提出したが、納付税額を期限内に完納しなかったとき

納付すべき税額の一部または全部を納付期限までに納税しないと延滞税が課せられます。
(延滞税が課税される例)
予定納税額や源泉徴収税額を期限内に完納しなかったとき
納税通知による納付税額を完納しなかったとき
期限後申告や修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない税金があるとき


利子税
延納や申告書の提出期限を延長したとき

次のような場合は、本来納付する税金と合わせて利子税が課税されます。
(利子税が課税される例)
法人税申告書の提出期限を延長したとき
所得税や相続税を延納したとき
災害等のために申告書の提出期限を延長したとき
延滞税 納期限の翌日から2月を経過する日まで 2.9%
納期限の翌日から2月を経過した日以後 9.2%
利子税 1.9%



中間申告と納付の遅れに注意!
前期の法人税納付額が20万円を超えると、今期に法人税の中間申告・納付をする必要があります。この中間申告の納付が遅れた場合、納付日までの延滞税が課税されますので注意してください。「前払いなのに、なぜ延滞?」と疑問に思われるかもしれませんが、これは2月以内に納付するという法定申告期限があるためです。また、前期は大幅な利益が出たが、今期上半期の業績が良くないときは、仮決算(所得税の場合は予定納税の減額承認申請)を行うことで、納付税額を圧縮することができます。




過少申告加算税
期限内に申告・納付したが、その後、税務調査を受け、納めた税金が
少なかったために修正申告になったとき

税務調査後に修正申告した(または税務署から更正を受けた)場合には、追加で納める税金の他に過少申告加算税が課税されます。
原則 10%
当初の納税額と50万円のいずれか多い金額を
超える部分
15%
自主的に修正申告した場合 不適用


無申告加算税

期限後に申告書を提出したとき

期限後に申告した(または税務署による課税所得の決定が行われた)場合は、原則として無申告加算税が課税されます。
納付税額の50万円までの部分 15%
納付税額の50万円超の部分 20%
自主的に申告した場合 5%
正当な理由など 不適用


不納付加算税

源泉所得税の納付を忘れてしまい、納期限に遅れてしまったとき

源泉徴収税等の納付期限までに完納されなかったとき、不納付加算税が加算されます。
原則 10%
自主的に申告した場合 5%
正当な理由など 不適用



余分な税金を負担しないためにも適正な申告をしましょう!

税務調査等で申告の誤りを指摘され、修正申告等になると、余分な附帯税を負担することになります。
そうならないためにも、自社で適時に正確な記帳を行い、毎月、会計事務所の巡回監査において、その内容のチェックと改善指導を受けることで、適正な申告をしましょう。



最も重い重加算税
過少申告加算税や無申告加算税、不納付加算税が課される場合において、所得の隠ぺい、仮装があるときには、過少申告加算税等に代わって最も重い重加算税が課税されます。

過少申告加算税に代わる重加算税 35%
無申告加算税に代わる重加算税 40%
不納付加算税に代わる重加算税 35%