●●● 特殊支配同族会社の役員報酬に関するQ&A その1 ●●●

Q1 特殊支配同族会社の要件とは?

A1  特殊支配同族会社となるのは次のふたつの要件を同時に満たす会社をいいます。
   @業務主宰役員」とその関連者が発行済み株式総数の90%以上の株式
     を有している。
    (株式数の90%以上保有、議決権割合の90%以上、持株会社の社員割合が90%以上)
   A常務に従事する役員総数に対する「業務主宰役員」と常務に従事する「業務主宰
    役員関連者
の数が50%超であること。 
    
特殊支配同族会社の判定は、その事業年度終了時点の状況により判断します。
    ※
@Aでは対象となる役員等の範囲が異なるので要注意!
Q2 業務主宰役員とは?

A2  業務主宰役員とは、「法人の業務を主宰している役員をいい、個人に限る」つまり、会社の経営に最も中心的に関わっている役員の事で、通常は代表取締役社長が該当します。
ただし、状況が同じような役員が複数いる場合は、勤務状況・役員報酬額など実態によって判断し、1名を特定することになります。

Q3 業務主宰役員関連者とは?

A3  1.業務主宰役員の親族
 2.
業務主宰役員と事実上婚姻関係と同様の関係の事情にある者(内縁関係者)
 3.
業務主宰役員の使用人(いわゆる家事使用人)
 4.
業務主宰役員から金銭等の資産によって生計を維持しているもの
 5.1
3の者と生計を一にするこれらの親族
 6.
業務主宰役員と上記の者が90%以上の株式・出資を所有している場合のその同族 会社なども含まれます。
 また、これらの個人や法人と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が
 ある場合のその者も含めて考えることとされています。

Q4 親族の範囲とは?

A4  法律上は民法において定義がなされ、6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族をいいます。

Q5 給与所得控除とは?

A5  給与所得は、事業所得などのように必要経費を差し引くことはできません。
しかし、それに見合うものとして、一定の給与所得控除額を給与等の収入金額から差し引くことができます。今回の改正では、社長個人の給与所得控除額を、会社の法人税を計算する時に利益に加算するということになります。
 給与所得控除額は、給料の収入金額に応じて次のように定められています


 

給与の収入金額 給与所得控除額
        〜650,000円 業務主催役員給与額の全額 (100%)
650,001円〜1,800,000円 業務主催役員給与額×0.4(65万円未満の場合は65万円)
1,800,001円〜3,600,000円 業務主催役員給与額×0.3+180,000円
3,600,001円〜6,600,000円 業務主催役員給与額×0.2+540,000円
6,600,001円〜10,000,000円 業務主催役員給与額×0.1+1,200,000円
10,000,001円〜 業務ス債役員給与額×0.05+1,700,000円

  

Q6 損金不算入の規定の適用がない事業年度とは?

    A6  特殊支配同族会社の次の事業年度については、この規定は適用されません。

     (1) その事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度(基準期間)の所得金額又は欠損金 額及び業務主宰役員給与額などを基礎として計算した金額の平均額(以下「基準所得金額」といいます。)が年1,600万円(注1)以下である事業年度

     (2) 基準所得金額が年1,600万円(注1)を超え3,000万円以下であり、かつ、基準所得金額に占めるその業務主宰役員に対して支給する基準期間の給与の平均額の割合が50%以下である事業年度

       (注1) 平成19年3月31日までに開始する各事業年度については年800万円です。

       (注2) 新設法人などで、基準期間がない特殊支配同族会社については、その事業年度の所得金額又は欠損金額及び業務主宰役員給与額などを基礎として計算した金額(以下「当年度基準所得金額」といいます。)により、上記(1)及び(2)と同様に判定します。